『ロンドン地下鉄書体』の進捗状況、その3

 『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』のジャケットの色校が届きました。写真はその色校と束見本です。

 この中に図版と文字が印刷され、ジャケットが巻かれた姿を想像すると、わくわくしてきます。本を作っていて、表紙やジャケットに使う紙をあれこれと考えているときが一番楽しい時間だったりする。束見本ができてくるときがそのピーク。
 しかしこの束見本、ほれぼれする出来です。ふつう見本は職人さんの手製本なので、溝や折り目、包みがキリッと締まっているのは当然ですが、それにしても感動したのが背の芯ボール。角背の場合、何も指定しないとヒラと同じ厚みの芯ボールになることが多いですが、これはちゃんとヒラより薄いボール紙が使われていました。とても嬉しい配慮に感謝です。ちなみに今回の製本は松岳社(青木製本所)さんです。AB判変型と大判なので、ほとんどの方は机の上に置いて読むでしょうから、じっくり図版を見ていただけるよう開きのいい糸縢りにしました。
 なぜ束見本を見るのが楽しいかと考えてみると、まず、なにかと神経を使う本文の編集が一段落したあとであること、その本文に形が与えられる直前で期待感が膨らんでいること、そして一番の理由は、束見本には「絶対誤植がない!」からかも。なのでいつまでも安心して見てられます。
 順調に進めば、11月末に出来、12月初旬から書店店頭に並び始めます。
 いまは好評いただけることを祈る思いです。