読書なう

 とツイッター風に始めてみましたが、ちょっとやってみたかっただけで意味はありません。


 今日読んだ(見た?)画集が素晴らしかったので紹介します。
 『池田学画集1』(池田学、羽鳥書店

池田学画集1

池田学画集1

 恐ろしいくらい細部まで描き込まれた細密画の迫力がとにかく凄い。ワクワクします。画全体だけではなく、一部を目一杯拡大した図版も載っていて、全体図と見比べながら眺めていると時間を忘れます。
 製本も、表紙で中身を包まず背がむき出しなんですが、綴じは糸かがり、背固めにPUR糊かなにかを使っているのかガバッと開いて見開きで楽しめます。この心配りも素晴らしい。ただ、普通に包めば糊が中にはみ出なかったかも。ちょっともったいない。
 『池田学画集1』となっていますが、2も出るのでしょうか? 楽しみ。次は『元田久治版画集』とかも出してくれないかな。
 あと、細密画好き+印刷好きにとっては、製版も見逃せないポイントですが、この画集はFMスクリーンで刷られていますね〜。たまらん。


 そういえば、昔読んだ細密画絵本『まっくら、奇妙にしずか』(アイナール・トゥルコウスキィ/鈴木仁子訳、河出書房新社)はAMスクリーンで300線の高精細印刷でした。
 たった1本のシャープペンシルで、400本の芯を消費して3年かけて描いたという細密画がとてもきれいな絵本。これも細密画+印刷好きにはお勧めです。

まっくら、奇妙にしずか

まっくら、奇妙にしずか


 せっかくなのでもう一冊。
 『山頂にて ── 中央線沿線・山からのパノラマ』(平野武利、山と溪谷社
 赤外線フィルムを使ったパノラマ写真で、くっきりと写し出された山の稜線がとても美しい写真集です。
 これはAMスクリーン200線で墨とグレーのダブルトーン。
 元光村印刷の平野氏は写真と印刷のスペシャリストだけに、この写真集の印刷も素晴らしい仕上がりなんですが、もう古書でしか入手できないかも。
 アマゾンのカスタマーレビューでは、trek73fxさんという方が、

山岳展望を語るうえで、ぼく的にどうしても漏らせない1冊だ。
この本は横長で見開きでパノラマ写真が掲載されている。写真は氏が独自に工夫をした専用の赤外線カメラによるモノクロであるが、その描写の細かさ、しかも、いかにも赤外線写真というしつこさがなく、とてもすばらしい。

と書かれています。
 もし古書店で見つけたら、ぜひ手に取って見てみてください。たとえパノラマ写真好きではなくても、一見の価値あり、です。

山頂にて―中央沿線・山からのパノラマ

山頂にて―中央沿線・山からのパノラマ