高岡重蔵氏90歳の誕生会

 昨日、1月18日で90歳になられた高岡重蔵氏の誕生会が開かれました。
 60人を超える人々が集まり、歌やギター、フィドル(ヴァイオリン)の演奏が披露されるなど大盛況でした(この様子は嘉瑞工房ニュースでどうぞ)。
 高岡重蔵氏を師匠と慕う河野英一氏や小林章氏、そしてヘルマン・ツァップ氏を始めとする海外からのお祝いコメント、ストーン・カーヴィングやカリフラフィ作品など、様々なお祝いの品もたくさん展示され、いかに重蔵氏が色んな方々から愛され敬われているかを再確認しました。やはりその人柄、周りの人々への優しさと、自身の仕事への厳しさゆえなのでしょう。

 これに先立つ1月18日には、小林章氏がブログ「タイプディレクターの眼」で、

日本で1948年にこんなすごいインターナショナルな水準のことを書いていたんだ、そして巻末付録では、欧文活字書体でこんな見事な組版ができてたんだ!ってびっくりしますよ。
巻末付録「Wandering from type to type」の組版がスゴイ

と『欧文活字』を推薦いただきました。→ここ「高岡重蔵氏90歳」とここ「高岡重蔵氏90歳(2)」です。
 『欧文活字』で知ることができるのは、高岡重蔵氏のほんの一部だけですが、ぜひ氏の素晴らしい仕事の一端をお楽しみいただければと思います。

欧文活字

欧文活字


 そうそう、重蔵先生には『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』(やっとアマゾンでも買えるようになりました)の帯書きもお願いしたのでした。以下その帯書きです。

1816年ごろ、イギリスでキャズロンが初めてサンセリフの活字書体を発売したとされるが、それに続く質の高いサンセリフはなかなか現れなかった。
ちょうど百年後の1916年、エドワード・ジョンストンがまったく新しい感覚のサンセリフを作り、その影響を受けてギル・サンズやグランビーが次々と出現した。
そんなモダン・サンセリフの嚆矢ともいえる「ジョンストン・サンズ」を1980年代に改刻したのが、日本人デザイナーの河野英一である。
ジョンストン氏に敬意を、河野氏に拍手を送りたい。
 Fellow of the Royal Society of Arts 嘉瑞工房 高岡重蔵

ジョンストンのロンドン地下鉄書体 ― Johnston's Underground type

ジョンストンのロンドン地下鉄書体 ― Johnston's Underground type


 その他、高岡重蔵氏関係で今入手できる本。

欧文組版 組版の基礎とマナー (タイポグラフィの基本BOOK)

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井上嘉瑞と活版印刷 著述編

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井上嘉瑞と活版印刷 作品編

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『印刷雑誌』とその時代―実況・印刷の近現代史

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ローマ字印刷研究―紀田順一郎セレクション (HONCOレアブックス)

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