愛書家の楽園「“ひとり出版社”を興す」フェアに行ってきました

 先日お知らせした(烏有ブログ 9/8)愛書家の楽園「“ひとり出版社”を興す」フェアが始まりました。
 場所はジュンク堂書店池袋本店1階エレベータ前&福岡店3階人文フロアで、期間は9月10日から10月9日まで。→詳しい内容はジュンク堂PR誌『ほんのしるべ 書標』2014年9月号で。(リンク先の中ほどにあるPDFで中身が読めます。pp. 6–9参照)


 さっそく昨日、池袋本店さんに様子を見に伺ってきました。これがフェア棚です。

 烏有本も並んでいました。ありがとうございます!

 「愛書家の楽園」は、月代わりで色んなテーマの本を取り上げるフェアとのこと。今回のテーマが「一人だけでやっている出版社の本」で、17社17冊の本が取り上げられています。


 順にあげてみると、
 『巫女・シャーマンと神道文化』(高見寛孝、岩田書院
 『高岡重蔵 活版習作集』(高岡重蔵、烏有書林
 『食べること考えること』(藤原辰史、共和国)
 『カステラ』(パク・ミンギュ、ヒョン・ジェフン、斎藤真理子 訳、クレイン)
 『ウクライナから愛をこめて』(オリガ・ホメンコ、群像社
 『カイヨワ幻想物語集 ポンス・ピラトほか』(R. カイヨワ、金井裕 訳、景文館書店)
 『天皇制の隠語』(絓秀実、航思社)
 『どうぞこのまま』(丸山圭子、小径社) ※上のリンク先の一覧にはなし
 『定本 想像の共同体』(ベネディクト・アンダーソン、書籍工房早山)
 『緊縛の文化史』(マスター“K”、すいれん舎) ※上のリンク先の一覧にはなし
 『中世絵画のマトリックス 2』(佐野みどり、青簡舎)
 『復刻写真集 大正大震災号 高橋五山編』(高橋洋子、全甲社)
 『3着の日記』(ひがしちか、塩川いづみ、前田ひさえ、土曜社)
 『ラヴ・レター』(小島信夫、夏葉社)
 『契約 鈴木いづみSF全集』(鈴木いづみ、文遊社)
 『憎むのでもなく、許すのでもなく』(ボリス・シリュルニク、林昌宏 訳、吉田書店)
 『釜ヶ崎のススメ』(原口剛、洛北出版)


 いろんな“ひとり出版社”がありますね〜。それぞれに個性があって、面白そうな本が並んでいます。これまでまったく知らなかった出版社も何社かありました。(もちろん一人でやっている出版社は他にもたくさんあります。そういえば、先日まで神保町の東京堂書店さんでも一人出版社フェアをやっていましたね)
 一人でやっていて一番いいのは、やりたい企画がすべて通ってしまうところでしょうか。逆に、歯止めが利かなくて製作原価がどんどん上がってっちゃうのが恐ろしいところです。原価計算をしても、ついつい見て見ぬふり。
 こんな面白い本が売れないはずがない!とか、なにかの弾みでたくさん売れてくれるんじゃないか、なんて妄想して、結局「いてまえオリャー!」ってなっちゃうんですよね……
 たぶん、私のように自分を律することができない人間には、一人でやるのは向いてないです。なかなか本が売れてくれず(とくに文学物)、もう資金が尽きそうで、そろそろ店じまいをしようかと考えている今日この頃なんですが、今回のフェアのようにちゃんとうちの仕事を見てくださっている方々もいるし、もうちょっと頑張ってみようかな。