「エドワード・ジョンストンとロンドン地下鉄書体」トークイベント

 12月11日、浅草の Book&Design で開かれた「DesignTalks 04 ロンドン地下鉄書体100周年記念 エドワード・ジョンストンとロンドン地下鉄書体」トークイベントに行ってきました。
 ゲストは、武蔵野美術大学教授で『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』の訳者でもある後藤吉郎先生と、岐阜大学准教授の山本政幸先生のお二人。

 下の写真に映っているのはジョンストン・サンズの木活字。Y とか、字間を詰められるよう両側が食い込むように凹んでたりします。

 長年ジョンストンの研究をしてこられたお二人だけに、お話が面白いのはもちろんですが、貴重な資料もたくさんお持ちいただき、とても刺激的なひと時を過ごせました。資料の一部はこちら→DesignTalks04でもご覧いただけます。いやあ、目の保養とはまさにこのことですねー。
 個人的に一番興奮したのは、『Imprint』の原本を見られたこと。ジョンストンが表題を書いた1910年代の雑誌なんですが、その本文書体がとてもとても美しかった。この書体は「Imprint MT」という名前で既にデジタルフォント化されていて、『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』の欧文と数字部分ではそれを使ったんですが、小文字のディセンダーがちょい短くて、実はあんまり好きなフォントじゃなかったんです。今回まじまじとオリジナルの金属活字書体を見て、やっぱりこっちの方がいいな、と。
 あと余談ですが、ジョンストン・サンズ100年を記念して今年発表された 「Johnston100」フォントを使ったトートバッグが会場で売られていたので買ってきました。

 「New Johnston」と比べるとかなり先祖返りしたように感じます。また、「P22 Johnston Underground」よりもモダンで、「ITC Johnston」よりも力強いような気が(布地にスクリーン印刷されているので、よけいそんな感じがするのかも)。
 「New Johnston」が「Johnston100」に取って代わられていくのは少し寂しい気もしますが、大昔のサインが今も使われつづけているロンドン地下鉄(→訪英日記5)のことだから、「New Johnston」もまだまだ現役でありつづけることでしょう。
 色んな時代の Johnston Sans が同時に見られるのも、それはそれで楽しいですよね!