世界のブックデザイン展

 今日、飯田橋印刷博物館で明日から始まる「世界のブックデザイン展 feat.スイスのブックデザイン」の内覧会とレセプションに行ってきました。

 この展示会は、「2014年3月にドイツ ライプツィヒで開催された「世界で最も美しい本コンクール2014」の受賞作に、日本、ドイツ、スイス、オランダ、オーストリア、中国、イランにて開催された各国コンクールの受賞作を加えた約160点を展示します」というもの。毎年この時期に印刷博物館の 【P&Pギャラリー】(入場無料)で開催されています。期間は11月29日から2015年2月22日まで。詳細は印刷博物館のサイト「世界のブックデザイン2013-14」でどうぞ。


 「feat.スイスのブックデザイン」となっているのは、今年が日本とスイスの国交樹立150周年にあたることから、特別企画として「1950年代から現代にいたるスイスのブックデザインの秀作約40点」を展示することになったようです。
 最新のブックデザインももちろんいいんですが、このスイスの昔の本がまたいいんですよね。たんなる懐古趣味じゃなくて、やっぱりいいデザインは時代を越えて伝わってくるんでしょうね。
 オープニングの前には、はるばるスイスから駆けつけたローランド・シュティーガーさんを囲んでのちょっとした茶話会がありました。シュティーガーさんはブックデザイナー兼タイポグラファで、『TYPOGRAPHY 06』(グラフィック社)にも登場しています。スイス・タイポグラフィやブックデザインについて、いろいろ興味深いお話を伺いました。
 「タイポグラフィのもっとも大切な目的は、内容を読み易く、他者に伝えること」という言葉が印象に残っていますが、面白かったのはスイスの出版事情について。「テクノロジーの進化により、いまは過渡期で大変な時代、と言われているが、何十年も前から同じことが言われ続けている。なので、これからも大丈夫だろうと楽観的に考えている」とのこと。やっぱり日本もスイスも同じなんですねえ。私もけっこう楽観的に……というか、もうなるようになれって感じなんですが。


 日本の本コーナーには、今年の造本装幀コンクール入賞本も並んでいて、うちの『高岡重蔵 活版習作集』もありました。

 なんか今年のこのブログは、重蔵さんの本の話題が続きました。二つも賞をいただき、いろんな本の展示会や書店さんのフェアに並んだり、海外の媒体で紹介されたりしたからなんですが、まあ、さすがに話題ラッシュもこれで打ち止めでしょう。


 本展には、世界中から集められた、ブックデザインはもちろん印刷・製本技術の粋をこらした作品ばかりが展示されています。また嬉しいのは、(特別展示のスイスの本はケースに入っていますが)通常展示の本は一冊一冊手に取ってページをめくって見ることもできます。 本好きの方はぜひ足を運んでみてください。ほんっとに、楽しいですよ〜。