ギャラリー5「タイポグラフィフェア」に行ってきました

 東京オペラシティ内にあるショップ《ギャラリー5》に「タイポグラフィフェア」を見に行ってきました。
 これは、いま同所アートギャラリーで開かれている「スイスデザイン展」と連動したフェアのようです。展覧会の詳細はこちらで→スイスデザイン展|東京オペラシティアートギャラリー、期間は1/17から3/29まで。
 「スイスデザイン展」は日本とスイスの国交樹立150周年を記念したイベントの一つで、前にここ(烏有ブログ2014-11-28)で紹介した「世界のブックデザイン展 feat.スイスのブックデザイン」もそうでした。
 ギャラリー5では「スイスデザイン展」で紹介されているスイスブランド(SIGG・モンディーン・ビクトリノックス)と本展覧会とのコラボ商品を会場限定で販売したり、その他にも関連グッズや書籍がいろいろ集められていました。


 で、タイポグラフィフェアなんですが、ギャラリー5のWebページによると、

タイポグラフィフェア
ヘルベチカなどスイス生まれのタイポグラフィに注目し、関連書籍や雑貨を集めました。また、金属活字を使用した活版印刷で知られる嘉瑞工房のコーナーも展開中。ポストカードやマスキングテープ、缶バッジといったオリジナルグッズをはじめ、同工房の所蔵する欧文書体見本帳のコレクション本などをご用意しています。

とのこと。
 先月、うちが取り引きいただいている八木書店さんから、「フェア用に『欧文活字』と『高岡重蔵 活版習作集』の注文があったよ」と教えていただき、今日様子を見に行ったんです。

 ショップの方に少し話を伺ったのですが、一番人気は「ヘルベチカ・マスキングテープ」、次が「活版缶バッジ」とのこと。うちの『欧文活字』も初回出庫分は売り切れで追加出庫することに。ありがたい。先日社内在庫がなくなった『高岡重蔵 活版習作集』もここにはまだ2冊ありました。
 あと、懐かしい本も並んでいました。

 写真手前にある『井上嘉瑞と活版印刷』の「著述編」と「作品編」なんですが、前職時代、少しお手伝いした本です。そのなかから印象に残っている文章を引いてみます。

タイポグラフィは芸術でも、学問でもありません。その試みが芸術的美的完成度を持っていても、たゆまぬ努力により偉大なる哲学的思想を持っていても、常に目的は書体の名前も時代的な背景も知らない人々の日常生活の中にあります。(「著述編」p. 22、「井上嘉瑞の人と作品」から)

 これは、本書のために嘉瑞工房の高岡昌生さんが書いた解説の一節です。あ、ちなみに井上嘉瑞(よしみつ)さんは、嘉瑞(かずい)工房の創設者、重蔵さんが2代目、昌生さんが3代目です。
 「タイポグラフィは、書体の名前も時代的な背景も知らない人々の日常生活の中にある」
 いい言葉ですよね。