書物

歪んだ書物愛と憑き物落とし

6月の新刊、太宰治『黄金風景』の書店さんからの申し込みFaxの一つに、太宰の「『女生徒』がだいすきです!」というコメントが付されていた。それを見て思い出したことがあったので、備忘録として書いておくことに。 以前関わっていた雑誌で、アートディレク…

石川桂郎『剃刀日記』あと5冊に

石川桂郎『剃刀日記』の在庫、美本があと5冊に。これからは一度書店さんから返品になった本(あと100冊ほど?)を改装して出庫することになります。ただ、ジャケットの予備が少ないので何冊出庫できることやら……。もしいつか読もうと思ってそのままになって…

新装版『欧文組版』ちょい見せ

新装版『欧文組版』、約半分の90ページ目、スモールキャップまで来た。いつの日か、スモールキャップをきちんと使いこなせるようになりたいものです。。。 pic.twitter.com/oOEJMqObPR— 烏有書林 (@uyushorin) December 25, 2018

次の新刊をちょい見せ

ゲラのついでに、この本の用字メモも。漢字と仮名、送り仮名やカタカナ語の音引きの有無、数字の表記など、1冊を通して用字のゆれがなるべく少なくなるように気をつけてます。ページによって「コンマ」だったり「カンマ」だったりしたら、内容以外の部分で読…

そしてほぼ同じ本が二冊も

帰宅途中、このツイートに惹かれて買ってしまった本。 https://t.co/7k4QQ2JHnz— 烏有書林 (@uyushorin) 2018年10月19日 本蘭明朝をちょっと空けて組んでるのかな? どんな読み心地がするか、楽しみ。 pic.twitter.com/RicHl3bcRG— 烏有書林 (@uyushorin) 20…

別の本を調べてみました

二日前に「いま読んでる本」として紹介したのと同じ著者・同じ出版社の別の本を調べてみました。目次ページには普通に読める英語タイトルが印刷されていたので、先日「可読性30%ぐらい」と書いたのは、ダブリのような印刷ミスじゃなくて、ちゃんとデザイン…

可読性○○%

いま読んでる本。目次ページの下にうすーく印刷された英語タイトルが気になる。可読性30%ぐらい?(可読性の単位が%かどうかは不明だが……) pic.twitter.com/YGUytc0ahb— 烏有書林 (@uyushorin) 2018年9月25日 可読性ついでに、むかし書いてたブログの記事…

嘉瑞工房にて

嘉瑞工房で龜鳴屋さんの本に会うなんて! pic.twitter.com/3yfP0YyW5U— 烏有書林 (@uyushorin) 2018年9月18日 嘉瑞工房で見せていただいた、御年100歳のグドルンさんの書体、Diotimaのフォント。ピカピカです。 pic.twitter.com/l7NywJMAQx— 烏有書林 (@uyus…

『うさぎがきいたおと』原画展

地下鉄の浅草駅で降り松屋方面出口から出てすぐ目に入るのはこの松屋! pic.twitter.com/DUQOXfXXCM— 烏有書林 (@uyushorin) 2018年9月17日 浅草Book&Design Galleryの絵本『うさぎがきいたおと』原画展です。さらさんの木版画がとても綺麗! pic.twitter.co…

『Daido Moriyama: Ango』と『Sakiko Nomura: Ango』

森山大道・野村佐紀子の写真と坂口安吾「桜の森の満開の下」「戦争と一人の女(無削除版)」を組み合わせた本、『Daido Moriyama: Ango』と『Sakiko Nomura: Ango』が届きました。図書設計家協会の冊子で紹介されててつい……。「Sakiko~」はなんと小口が捩じ…

『Sakiko Nomura: Ango』を読み終えた

昨日紹介した『Sakiko Nomura: Ango』を読み終えた。普段は文学作品に写真やイラストなどを後から足すのは好きじゃないんだけど、これは良かった。「戦争と一人の女」自体は何度も読んでるけど、テキストの初出部分を黒で、GHQによって削除された部分をグレ…

『あしかぜ』出来!

本文組版などをお手伝いしてた本が完成しました。市販されない、書店には並ばない本なので、写真でまとめて紹介しちゃいますね。内容は日本文学の論文集。とても美しい本に仕上がったと思いますが、いかがでしょう? pic.twitter.com/ygxXorWjVG — 烏有書林 …

石川桂郎の文章が載っている本

烏有書林で出してる『剃刀日記』の著者、石川桂郎の文章が載ってると知って注文した本が今日届いた。文字で地図を表した洒落たジャケットをめくり、表紙を見て美しさにドキッとした。もしや、とページをめくると、やはり小泉弘さんの装丁だった。なんだか得…

事務所に着いたら坂口安吾『勝負師』が!

事務所に着いたら坂口安吾『勝負師』が! 中公文庫の担当編集者さんからは、縁あって石川桂郎『俳人風狂列伝』が中公文庫に入ったときにもお送りいただいたのですが、こうやって二冊並べてみると、うちの「シリーズ 日本語の醍醐味」の第一回配本と同じ顔ぶ…

『廃墟の眺め』まもなく発売

新刊、吉行淳之介『廃墟の眺め』の取次店用の見本が届きました。 とても端正な、いい本に仕上がったように思いますが、いかがでしょう。 本納品は来週、23日に八木書店さん、24日に各取次店さんに入る予定なので、来週後半あたりから書店店頭に並び始めます…

表紙&ジャケット到着

昨日10日、『廃墟の眺め』の表紙の箔押し見本が届きました。 続いて今日、ジャケットの箔押し見本が届きました。 まあジャケットのデザインは本扉とほぼ同じ(いつも扉のデータを流用して一部箔押しに変えてるだけ)なので、写真で紹介するまでもない気もし…

『決定版 ビジュアル 大相撲図鑑』

昨年少しお手伝いした本が届いたので紹介します。 『決定版 ビジュアル 大相撲図鑑』(服部祐兒 監修、汐文社 )。 出版元サイトの紹介文には、 児童書初の本格的大相撲図鑑。日本大相撲協会のバックアップのもと、本場所および稽古中の写真をふんだんに使い…

1部抜き到着

久々の新刊『廃墟の眺め』の1部抜きが届きました(1部抜きは、本番用に印刷したものを、確認用に1枚ずつ抜き出したもの)。写真は扉と本文ページです。 データ入稿から刊行までひと月以上あったので、今回は少し余裕があるかな、と思ってたんですが、もう…

『Typography 12』誌に記事を書きました

まもなく発売の『Typography 12』(グラフィック社)に、書体と組版について記事を書きました。「小説の書体と組み方」というコーナーで、『Typography 09』に書いた記事の続編のような感じなんですが、今回は小説やエッセイといったシンプルな和文縦組に特…

『印刷図書館コレクション』刊行

印刷図書館設立70周年を記念して、同図書館所蔵資料を紹介する『印刷図書館コレクション』が刊行されました。先週10月26日に如水会館で出版記念パーティが開かれたのですが、私も本書の編集をお手伝いした縁からご招待いただきました。 ↑会場の一角に飾られ…

オーナメント・タイプの本

昨日、印刷博物館で、来日中(帰国中?)の河野英一さんの蔵書を見る内輪の会があったのですが、嘉瑞工房の高岡昌生さんにお誘いいただき私もご相伴にあずかりました。 その蔵書とは、英国セント・ブライド・プリンティング・ミュージアム所蔵のオーナメント…

『Typography 09』誌に記事を書きました

まもなく発売の『Typography 09』(グラフィック社)に、組版について記事を書きました。「これだけは知っておきたい組版の常識・非常識」というコーナーで、嘉瑞工房の高岡昌生さん、コン トヨコさんと分担して、私は和文編と和欧混植編の一部を担当しまし…

『老薔薇園』まもなく発売

今日、11月の新刊、金子光晴『老薔薇園』の取次店用の見本が届きました。 415ページはこのシリーズでも最多のページ数。ずっしり重いですが、詩が中心なので意外とすんなり読めると思います。 来週中には本納品・各取次店に入る予定なので、11月初頭から書店…

堀江紙工所訪問

今日は埼玉県戸田市にある堀江紙工所さんに伺い、『老薔薇園』の表紙とジャケットの箔押しに立ち会いました。 これが表紙の箔押し機。 1枚ずつ手作業でセットしてはプレス……を、うちのような少部数の本でも1000回は繰り返していただいてるんですよね。改めて…

1部抜き到着

11月刊行『老薔薇園』の1部抜きが届きました。 写真はその本文とジャケット。1部抜きは、本番用に印刷したものを、確認用に1枚ずつ抜き出したものです。 久々の新刊ですっかり段取りを忘れちゃってましたが、なんとかここまで漕ぎ着けました。あとは箔押し…

紀伊國屋新宿南店の洋書売り場がスゴイことに!

今日から紀伊國屋書店新宿南店の洋書売り場が拡張され、Books Kinokuniya Tokyo としてオープンするという話を聞きつけ、さっそく様子を見にいってきました。→Books Kinokuniya Tokyo が5月29日(木)にオープンします まずはこの写真をご覧ください。 ワンフ…

『蝕まれた虹』まもなく発売

今日、2月の新刊、小林美代子『蝕まれた虹』の見本が届きました。 いい本になったと思います。 内容はもちろんですが、パラパラとページをめくっていて、印刷もシリーズ既刊分の中で一番の仕上がりだと感じました。どのページを開いても黒みがほぼピッタリ揃…

『没落時代』まもなく発売

さきほど、7月の新刊、尾崎士郎『没落時代』の見本が届きました。 来週25日に本納品、翌26日に各取次店に入る予定なので、7月最終週あたりから書店店頭に並び始めます。 いい本になったと思います。ぜひお手にとってご覧ください。 →烏有書林の本があるお店…

『高岡重蔵 活版習作集』まもなく発売

『高岡重蔵 活版習作集』の見本ができあがってきました(写真は束見本に刷り見本を巻いたものです)。 今週末に各取次店に入りますので、4月17日あたりから徐々に書店店頭に並び始めると思います。神保町界隈では今週末には並んでいるかもしれません。 本書…

『ペガサスの挽歌』まもなく発売

10月の新刊、『ペガサスの挽歌』ができあがりました。 さっそく皆川博子様にお送りしたところ、「本来なら消え去っている初期のものに、日を当ててくださったことを感謝しています」と過分なお言葉を頂戴しました。 来週月曜に各取次店に入る予定なので、ち…