オーナメント・タイプの本

 昨日、印刷博物館で、来日中(帰国中?)の河野英一さんの蔵書を見る内輪の会があったのですが、嘉瑞工房の高岡昌生さんにお誘いいただき私もご相伴にあずかりました。
 その蔵書とは、英国セント・ブライド・プリンティング・ミュージアム所蔵のオーナメント・タイプ(飾り文字活字)を使って、レタープレス・プリンターであるイアン・モーティマーさんが、アルビオン手引き印刷機で一枚一枚丁寧に活版印刷した『Ornamented Types』という大型本です。


 印刷物はすべてシート状になっており、黒い夫婦箱に収められています。ちなみにオーナメント以外の書体について、河野さんの話では、本文はスコッチ・ローマン、タイトルページ等で使われているサンセリフはカスロン4世による最初期のサンセリフ書体とのこと。セント・ブライド・プリンティング・ミュージアム元館長のジェームズ・モーズリーさんの解説書(こちらは糸かがりの冊子本)もあり、同じく箱入りでセットになっていました。
 残念ながら詳しく説明する知識を私は持ち合わせていないので……写真だけ。
 まずはモーティマーさんの作品から。






 次にモーズリーさんの解説書から。




 やはり一文字一文字が大きくてむちゃくちゃ迫力があります。こんな文字を持っていたら、きっとどこかで使いたくなりますよね。でも私にはまず使いこなせないだろうなあ。それにしても、とてもいい目の保養になりました。