高岡昌生『〔増補改訂版〕欧文組版:タイポグラフィの基礎とマナー』

 

『〔増補改訂版〕欧文組版タイポグラフィの基礎とマナー』
高岡昌生
日本における欧文印刷の第一人者、嘉瑞工房・高岡昌生が指南する、本格的な欧文組版解説書。
 デザイナー、編集者、企業広報担当者らが実際に欧文を組むときに役立つ活きた知識が満載。文章組から、名刺やレターヘッド、招待状やディプロマのデザイン、和欧混植などの組版まで、具体的な注意事項や組版事例も多数掲載した。過去の自分の仕事をすべてやり直したくなるくらい衝撃的な本。
2019年7月5日発行予定 B5判・ソフトカバー 190ページ
本体2,800円+税  ISBN978-4-904596-11-1 


【目次】

 はじめに

 

第1章 欧文書体の基礎知識
 「レースカー」に乗る前に
 基礎用語の解説
 かんたん欧文書体史

 

第2章 欧文組版の基礎練習
 欧文組版、はじめの一歩
 読むテンポとリズム
 小文字の字間
 大文字の字間
 練習-1
 練習-2
 ワードスペース
 練習-3
 練習-4
 練習-5
 練習-6
 練習-7
 練習-8
 練習-9
 準備と練習
 頭揃え、中心揃えの視覚補正

 

第3章 より良い欧文組版のために
3-1 ここがポイント欧文組版
 主な組版形式
 A-1 箱組
 A-2 箱組 (改善例)
 B-1 頭揃え 一段組
 C-1 箱組 二段組
 B-2 頭揃え 一段組 (改善例)
 C-2 箱組 二段組 (改善例)
3-2 良い組版のために必要な知識
 1 ローマン体とサンセリフ
 2 大文字、小文字
 3 大見出し、小見出し
 4 イタリック
 5 スモールキャップ
 6 数字
 7 ハイフンによる語の分割
 8 リザード、リバー、ウィドウ、オーファン
 9 インデント
 10 行空き
 11 イニシャル
 12 約物
 13 合字
 14 スクリプト
 15 スワッシュレター、ターミナルレター
 16 ぶら下がり
 17 行長
 18 頭揃えの改行
 19 短文の改行位置
 20 版面とマージン
 21 文字の色
3-3 組版マニュアル

 

海外のいい欧文組版を見てみよう

 

第4章 一歩上を行く欧文組版
4-1 欧文組版の実践例
 名刺
 レターヘッド
 招待状とディプロマの世界
4-2 デザインの各分野に向けて
4-3 和欧文の違いと調和への配慮
 和欧混植について
 日本語版から英語版を作るさいの注意点

 

第5章 私とタイポグラフィ

 

コラム・タイポグラフィこぼれ話
 ゲラ ゲラ ゲラ ! ゲタ ゲタ ゲタ !
 良いフリーフォントって?
 使用サイズ感とオプティカルサイズ
 タイプライターの影響
 「目次」のタイポグラフィ
 C & lcのlcって何?
 翻訳者Tさんの悩み

 

 あとがき
 参考文献
 引用図版
 用語索引

 
 本書は、2010年3月に美術出版社より発行された『欧文組版 組版の基礎とマナー』に加筆・修正を加えた増補改訂版です。
 内容紹介文に、「過去の自分の仕事をすべてやり直したくなるくらい衝撃的な本」とありますが、けっして大げさな表現ではありません。美術出版社版の編集を手伝っていたとき、実際に私が感じたことなんです。

 海外を旅行したとき、おかしな日本語表記を見て思わず吹き出したことはありませんか? 実は海外からの旅行者も、日本で見る英語表記に同じことを感じているとしたら、せっかくの「おもてなしの心」が台無しですよね。それを見る人への配慮と思いやりを忘れずに、しっかりおもてなしをしたいものです。「読者への思いやり」は本書のテーマでもあります。
 最近は、海外からの観光客も急激に増加していますし、来年は東京オリンピックも控えています。また最近は、外資系に限らず日本企業でも、社内公用語を英語にする企業が増えているようです。
 このようなグローバル時代に対応するためにも、欧文表記の基本的なマナーを知る必要性がこれまで以上に高まっているのではないでしょうか?
 ……なんて書いてしまいましたが、「グローバル」という言葉、私はあんまり好きじゃないんですよね。よくよく考えてみたら、アメリカに都合のいいやり方の押しつけ、単なる「アメリカナイズ」じゃないの?というケースが少なくない気がするから(まあアメリカだけに限りませんが)。自分たちの都合の押し付け合いではなくて、どの方法が特定の国ではなく皆にとって合理的かをちゃんと吟味しないといけないですよね。「思いやり」に欠ける「グローバル」を見抜くためにも、海外の文化、慣習やマナーをちゃんと知っておくことは有効ではないでしょうか(と強引にまとめてみる)。

 閑話休題、今回の増補改訂にあたり、改めて内容を見直し、「短文の改行位置」「日本語版から英語版を作るさいの注意点」「良いフリーフォントって?」など、いくつか項目も追加しました。総ページ数も1割ほど増えており、「衝撃」度がさらにパワーアップしています。

 プロのデザイナーや編集者はもちろんですが、英語でレポートやプレスリリースなどを発表する機会がある社会人・学生さんにとっても必携の基本図書と言えるでしょう。

 



 
 本書が並ぶお店は、来週あたりから随時烏有書林の本があるお店(リアル&ネット)に反映させていきますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。 

追記:書店様へ。今回から売上スリップの挟み込みをやめることにしました。もしご入用の場合は、こちらのデータ[プリント用スリップ]をご利用ください。