紀伊國屋新宿南店の洋書売り場がスゴイことに!

 今日から紀伊國屋書店新宿南店の洋書売り場が拡張され、Books Kinokuniya Tokyo としてオープンするという話を聞きつけ、さっそく様子を見にいってきました。→Books Kinokuniya Tokyo が5月29日(木)にオープンします

 まずはこの写真をご覧ください。

 ワンフロア全部が洋書洋書洋書! 壮観です。まるで海外の書店を丸ごと日本に持ってきたみたいです。
 ぐるっと一回りするうちに、1冊の本が目にとまり、我慢できずに買っちゃいました。

 これ、ドイツの出版社 Steidl から昨年出版された、William Eggleston の『At Zenith』という写真集。雲しか写ってません。Steidl 社は映画『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜』でお馴染みですよね。
 とくにエグルストンや雲に興味があったわけじゃなくて、たまたま装丁が美しいなあと思って手に取ったんですが、奥付ページがとてもシャレてたんです。

 奥付が巻末で中心揃えって珍しいですよね。イタリック体で組んであるのも優雅だし、それに大文字の部分だけ小ぶりのローマン体になってる。まだイタリックが小文字だけだった16世紀初頭の形式を使って、さらにクラシックな雰囲気を醸し出したかったんでしょうね。フォントもアルダスゆかりの Bembo みたいだし。それにしても美しい。(欲を言えば、アラビア数字をオールドスタイルにしたいところ)
 そういえば、八木書店さんから去年もらったカレンダーにこんなのがありました。

 1594年に日本で印刷された『天草版 ラテン文典』らしいんですが、「日本初鋳造のイタリック体活字を組版に用いた最初のキリシタン版」となってます。やっぱり大文字だけローマン体になってる。

 『At Zenith』の奥付を見たとき、「あ、この本欲しい」と思ったんですが、財布の中身を確認して「二千円ぐらい足りない……」と一度あきらめてたんです。
 ところがところが、売り場にいた洋書部の知り合いが、「いまオープン記念で20%引きですよ」と涼しい顔でのたまうではないか!!! おかげで買えちゃいました。(財布は正真正銘カラッポになったが……)
 英語の本だけでなく、フランス語やドイツ語など非英語圏の本もけっこう集めたとのことで、欧文組版を実例で学びたい人にとっては、テキストの宝庫ともいえる空間になってます。
 これだけ洋書が揃った書店はなかなかないし、そのうえ今なら2割引き(6/1まで)。これはチャンスですよ〜。しっかし、書店営業すればするほどお金がなくなるとはこれ如何に。