竹尾賞授賞式&展示会&フェア

 一昨日、第10回竹尾賞の授賞式がありました。デザイン書籍部門・審査員特別賞に選ばれた『高岡重蔵 活版習作集』の著者、高岡重蔵さんももちろん出席。

 受賞コメントで重蔵さんは、「本に収録したのは、サザエさんに出てくるカツオ君の答案用紙と一緒。見つからないよう机の引き出しの奥に隠しておいたもの」「これが私のすべて、他には何もない」なんて謙遜されていましたが、どうしてどうして、一冊に収め切れなかった物や言葉がまだまだあります。
 この本をつくっているとき、そろそろゲラも完成だな、なんて思いながら嘉瑞工房に行くたびに、「押し入れからこんなもんが出てきたよ」と、初めて見る刷り物が次々と。
 どれもが捨てがたい作品だったので、できるだけ追加はしたんですが、刊行日を動かせない事情があって「今回はこれぐらいで勘弁して下さい」とお願いして校了にしちゃったんですよね。


 神田錦町にある竹尾見本帖本店2Fでは、昨日(6月25日)から「第10回竹尾賞」展が始まりました。
 

 第10回竹尾賞の受賞作は、
 デザイン書籍部門・優秀賞『インフォメーション 情報技術の人類史』(著者:ジェイムズ グリック、翻訳:楡井浩一、デザイン:水戸部功、発行:新潮社)
 同部門・審査員特別賞『高岡重蔵 活版習作集』
 同部門・T賞『うかんむりのこども』(著者:吉田篤弘、装幀・イラスト:クラフト・エヴィング商會吉田浩美吉田篤弘]、発行:新潮社)
 デザイン評論部門・優秀賞『国立競技場の100年 明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(著者:後藤健生、発行:ミネルヴァ書房
 の全部で4冊。

 重蔵さんの本はここです。

 会場には、受賞作品はもとよりノミネート作品も並んでおり、第1回からの歴代受賞作も展示されています。


 また、この展示会にあわせて、神田神保町すずらん通りにある東京堂書店では「竹尾賞ワゴンフェア」が始まっています。

 今回の受賞作4点に加え、竹尾ペーパーショウ関連書籍『SUBTLE──サトル|かすかな、ほんのわずかの』も販売されています。場所は店舗1F奥のエレベータ前。
 「第10回竹尾賞」展を見て、「この本読んでみたい」と思った方は、ぜひ東京堂書店さんにも足をお運び下さい。