高岡重蔵先生の思い出の会

 2月3日、印刷博物館トッパン小石川ビル)2階の小石川テラスで、「高岡重蔵先生の思い出の会」が開催されました。(以下のカラー写真は嘉瑞工房の高岡昌生さんからご提供いただきました)

 会の詳細は「高岡重蔵先生の思い出の会」のご案内で告知されていますが、

各位 去る平成29年9月15日に嘉瑞工房 高岡重蔵さんが永眠されました。そこで生前親しくさせていた私達で「高岡重蔵先生の思い出の会」を企画致しました。発起人一同
平成29年12月
発起人:代表 河野英一(デザイナー、ロンドン在住)
葛西薫(デザイナー)、小林章(タイプディレクター、ドイツ在住)、立野竜一(デザイナー)、上田宙(烏有書林)、宗村泉(印刷博物館)、藤松瑞恵(デザイナー)、宮後優子(編集者)、田代眞理(翻訳家)、上島明子(美篶堂)
家族代表 高岡昌生

ということで私も発起人の一人に加えていただいたことから、会に参加をしてきました。
 当日は重蔵さんに縁のある方120人以上が集いました。

 重蔵さんの一番弟子でこの会の発起人代表・河野英一さんがはるばるイギリスから駆けつけたのをはじめ、ドイツからは小林章さんも。
 発起人が中心になって思い出を語っていったのですが、ほんとうに話が尽きることなく、他の参加者の方々のお話を聞く時間がほとんどとれなかったのが残念なぐらいでした。

 会場の一角には、河野さんが贈ったステッキや、重蔵さんの誕生日に毎年立野さんが贈っていた版画作品なども飾られました。

 そして、重蔵さんご本人の活版印刷作品もたくさん。すべて『高岡重蔵 活版習作集』に掲載した作品の「実物」です。

 私は、参加者のみなさんへのお土産として、重蔵さんの96年分の年表をつくりました。
 年表を見ていて気づいたのですが、2015年にヘルマン・ツァップさんが96歳で亡くなり、その2ヵ月後に重蔵さんが入院。そして昨年9月15日、重蔵さんもツァップさんと同じ96歳で逝去。お二人の縁というか、絆を感じざるをえないですよね。
 重蔵さんが好きだったトーマス・キャンベルの詩の言葉、To live in hearts we leave behind / Is not to die.(志を継ぐものがいれば 死んだことにはならない。Hallowed Groundより)を胸に、これからも私自身、重蔵さんのように生涯学び続けつつ、重蔵さんから頂いた色んなこと、ちゃんと次の世代にも伝えていきたいと思います。
 重蔵さん、本当に、本当に、ありがとうございました。